うちの子、ぜんぜん勉強する気もないし、このまま地元の公立高校に行かせて大丈夫かしら?
公立高校って、人気なくなってるみたいだし、やっぱ面倒見のいい私立に行かせた方がいいのかな?
こんなお悩みを解決します。
♦本記事の内容
- いま、公立高校をおススメする理由は?
- 公立高校に通うメリット&デメリットってどんなところ?
公立と私立の明暗
コロナの影響で、高校での授業のオンライン化は、公立と私立とで、一気に明暗が分かれました。
私立高校では、学校が休校になっても、自宅でオンライン授業を受けられたり、メールでレポート課題を出したりと、「生徒の学びを止めない」ための努力をしていました。
それに対して、公立高校は、いまだにオンライン授業を取り入れているところは、ごくわずかな高校のみ。学校が休校になってしまっても、その間のフォローはほとんど「生徒任せ」でした。
こういった対応の有無により、徐々に私立高校の方に、生徒・保護者の関心が向いていくのは自然なことでしょう。
昨今、公立高校の倍率が低くなっているのは、その表れともいえます。
公立高校の受験をおすすめする理由
私立高校に流れが傾きつつあるとはいえ、公立高校が全然ダメだと言いたいわけではありません!
むしろ、いま千葉県の公立高校は、以前に比べると、かなり狙い目であるのは間違いないです。
理由は、2つあります。
- 競争倍率がかなり低くなっている
- ネームバリューのある地元の名門校に受かりやすくなった
競争倍率の低下
入試制度の一本化や、私立高校・通信制高校などへの流入の影響により、昨今の公立高校の入試倍率は低下傾向にあります。
そのため、各高校の偏差値や合格基準点なども、軒並み低下してきています。
「倍率が下がっている」ということは、もちろん「合格しやすくなっている」ということ。
「うちは子どもが多いから、ぜひとも公立に行ってほしい!」とお考えの方にとっては、いまは公立が狙い目、というわけですね。
うちは、ほかにも大学受験を控える子がいるから、子どもが公立に行ってもらえると、ホント助かるわ。
ネームバリューのある高校に入りやすい
以前なら「名門」、「人気校」と言われていた高校でも、低倍率化が進んでいます。
たとえば、以下の高校です。
【令和4年度入試結果】
高校名 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 |
千葉西 | 387 | 320 | 1.21 |
検見川 | 405 | 320 | 1.27 |
千葉南 | 408 | 320 | 1.28 |
磯辺 | 367 | 320 | 1.15 |
千葉女子 | 321 | 240 | 1.34 |
船橋東 | 373 | 320 | 1.17 |
国府台 | 419 | 320 | 1.31 |
成東 | 276 | 241 | 1.15 |
佐原 | 257 | 240 | 1.07 |
長生 | 311 | 240 | 1.30 |
うわー!かつて「名門」って言われた成東高校や長生高校も、だいぶ倍率低いのね。
磯辺高校や検見川高校などの地元の高校も、ついこないだまで倍率3倍近くあったのにねー
名前だけ聞いたら、けっこう良い高校が出そろってますよね?偏差値60くらいの難関高校もあるくらいです。
こういった高校の競争率が下がっているので、これから本気で目指そうと思えば、ホントに入れちゃうわけですよ。大チャンスですよね!
遠い私立の高校や、聞いたこともないような通信制高校に入るくらいなら、名門と言われる公立高校に入った方が、「聞こえ」はいいですよね?
将来、履歴書に学歴を書くときにも、恥ずかしい思いをしなくて済みますしね。
なんだかんだ言って、世間はネームバリューや学歴を注意してみてきます。
少しでも良い公立高校に入れるチャンスがあるわけですから、見逃すのはもったいないですよね?
公立高校に通うメリット&デメリット
でも、受かりやすいからといって、どこでもいいわけではないよね?
そもそも公立高校に通うメリットって、何なのかしら?
公立高校は、生徒の自主性を重んじる学校が多いです。
しっかりとした目的意識を持った子であれば、充実した高校生活を送ることができるでしょう。
公立高校のメリット
公立高校に通うメリットとして、以下の点が挙げられます。
- 1 学費が安い
- 2 自由度の高さ
- 3 土日が休める
学費の安さ
一番の点として、何といっても、学費の安さ!
千葉県の公立高校の月謝は、9,900円。
年額にして、11万8,800円。
私立高校の年間授業料が、だいたい30万~40万前後なので、だいぶ安上がりです。
家計としては、ホント助かりますよね?
保護者が、公立高校に行かせたい理由のナンバー1といっても過言ではないでしょう。
自由度の高さ
校則の厳しい一部の私立高校にくらべると、公立高校はそこまで厳しい制約はありません。
髪の色も何色でもOKだし、バイトもOK!
(*バイトは許可制の高校もあります)
靴も、スニーカーでも、革靴でもOK!
原付バイクの免許を取るのもOK!
(*許可制の高校もあり)
よほど酷い態度や服装でなければ、自由度が高いのは大きなメリットです。
もちろん、高校生としての最低限のマナーは守りましょう。
土曜は授業が休み
私立のほとんどの学校では、土曜も授業を行っています。
(*午前中で終わることが多いです。)
しかし、公立高校は基本的に土曜はお休みです。
もちろん、部活がある子は、土日に練習や試合がありますけどね。
私立に通う子たちが、授業を受けている間、公立の子たちは自分の時間に充てることができる。
これは、「自己管理がしっかりしている子」や「目的意識のハッキリしている子」にとっては、大きなメリットでしょう。
オレは土日の休みを活用して、予備校のオンライン授業を受けるから問題ないぜ!
優秀な子の場合だと、高校の授業を受けてるくらいなら、自分で大学受験の勉強を進めていた方が、むしろ効率的です。
大学受験は、「受け身の姿勢」ではなく、自ら学び取りに行く、「積極的な姿勢」が求められます。
土日の休みを活用して、積極的に学んでいきましょう!
逆に、土日にダラダラしてしまう子にとっては、デメリットにもなりえます。
公立高校のデメリット
公立高校のデメリットは、以下の3つです。
- 私立に比べて、学校のフォローは薄い
- 必要な教材は自分で揃えないといけない
- 校舎・施設が軒並みボロい
公立高校は、教育にかかる費用を、とにかく安く抑えることができます。
しかし、その「安さ」の反面、さまざまなデメリットも生じます。
学費が安いわけですから、その分、私立に比べれば、教育サービスの質は下がります。
これは、世の中の「安売りの商品」や「格安サービス」にも共通していえますよね?
学校のフォローが薄い
公立高校では、学校のフォローはあまり期待しない方がいいでしょう。
ネットや書籍では、「キメ細かな対応」とか、「少人数制授業」など、耳障りのいい売り文句が書かれている学校もありますが、実際はあまりうまくいっていないようです。
実際のところ、「先生が何を言っているのか全然わからない」という声もよく聞きます。もちろん、生徒の学力や態度にも、多少問題はあるかもしれませんがね。
薄い内容の授業で、さらにスピードも速い。これでは、授業についていけなくなる子が続出するのは当然でしょう。
前述のように、コロナ禍でいまだにオンライン授業にすら、積極的に取り組んでいません。
基本的に、すべて「自己責任」で片づけられてしまうのです。
自分で学習を進められる子であれば、学校の授業はテキトーにスルーして、予備校や塾をメインにしながら、自習することができるでしょう。
しかし、大半の子は、授業の内容を理解することは難しい。やはり、一人でやれることには限界があります。
予備校や塾、通信講座などを活用して、授業についていけるように工夫していくことが求められます。
私の教室にも、高校の授業についていけず、途方に暮れている生徒が多いです。
高校の先生は、時間的な制約もあり、学習面でのサポートについては、あまり期待できないと思った方がいいですね。
必要な教材は自分で揃えないといけない
公立高校では、教科書や問題集などの教材は、必要最低限度のものしか提供されません。
最悪、薄い教科書とプリントだけ、という教科もあります。
ただでさえ難しい教科内容を、学校から支給される教科書とプリントだけで対応するのは、さすがにムリです。先生の授業も、そこまで詳しい説明がされるわけでもありません。
何度も言いますが、高校では、すべて自己責任!
足りない教材については、自分で揃える。予備校の授業も、自分で選ぶ。
そういった積極的な姿勢がないと、高校の授業についていくのは難しいですね。
私立高校なら、参考書や資料集などは、学校で提供、あるいは紹介してくれます。教材が多すぎてしまう子もいるくらいなので、デメリットにもなるんですけどね。
私立高校だと、予備校と提携して、予備校の「模試」や「オンライン授業」を無料で受けらるところもあります。
「高校の予備校化」が進んでいます。
施設・校舎がボロい
公立高校は、施設費がほぼタダみたいなものですから、これはやむをえないでしょう。
見た目がボロい校舎や教室だと、気分的に盛り上がらない、というのはありますよね?
こんなボロい校舎じゃ、中学校の頃とあまり変わらないじゃねーかよ!
むしろ、中学の校舎の方がキレイだったぜ。期待外れだわ・・・
公立高校だと、校舎や教室の机や椅子などハード面に関しては、軒並み旧式のものが多いのです。入学しても、「なんだか新鮮味に欠ける・・・」という声はよく聞きます。
学校説明会に参加して、学校の様子を事前に確認しておくことをおススメします。
受験対策はしっかりやろう!
いかがでしたか?
千葉県の公立高校は、2022年時点で非常に合格しやすい状況です。
もちろん、公立高校には「学費が安い」、「自由度が高い」といったメリットもあります。
しかし、デメリットとして、「授業のフォローが薄い」、「放任主義」、「校舎がボロい」といったデメリットもある、というお話をしました。
(*もちろん、すべての高校ではないです。あくまで一般的な話です。)
こういった、メリット&デメリットとを比べた上で、最終的に自分に合った高校を選択してもらえればと思います。
でも、なんだかんだ言って、個人的には、公立高校の受験は、かなりおススメです!
ちょっと頑張れば、地元の名門高校に入れるわけで、長期的に見れば、学歴の見栄えが良くなりますし、世間からの目も恥ずかしくならない程度でいられます。
授業が多少ショボくても、今なら自分で予備校のオンライン授業や通信講座を受けたり、You Tubeなど無料の授業動画でまかなうことができちゃいますからね。
自分で「何とかしてやろう!」という意欲、行動力のある子なら、公立高校でも余裕で大学受験も乗り越えられるでしょう!
いずれにせよ、いま公立高校は超穴場であることはたしかです!
まずは、高校入試を軽く乗り越えちゃいましょう。
結局は、本人次第ってことですよね。
うちの子にも、今から受験生としての意識を植え付けさせないと!
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