中学受験直前期 公立中学の適正検査は早めに訓練すれば合格できる!

中学受験

たまに面談をしている際、これまで私立中学入試の対策をしていたが、急遽、中高一貫の公立中学も受験させたいという保護者の方がいらっしゃいます。

しかし、公立中学の適正検査はこれまでの私立中学の問題と異なる部分が多々あり、対策がやや異なります。
もちろん共通する部分もあるので、早めに準備をしていけば対応できる問題もあります。
やりようによっては私立入試を主眼に置きながら、公立中学に合格するのも全く不可能ではないと考えます。

そこで、今回は公立中学の入試問題の特長について解説したいと思います。

  1. 図や写真、グラフ、地図、文章が豊富
  2. 国語の作文が一番の違い
  3. 地元ネタに関する問題が豊富

1、図や写真、グラフ、地図、文章が豊富

千葉県の市立稲毛高校附属中の問題を見ると、問題文には、文章だけでなく図や写真、グラフ、地図などが満載となっています。

そのため、小学生にとっては問題文を読むだけで大変です。
問われていること自体が理解できず、まったくお門違いの解答をしてしまう子も出てきてしまうでしょう。

普段から新聞や学校の資料集などを読む習慣をつけたり、長めの文章に抵抗なく読む訓練をしていかないと、本番では45分しかないので時間不足になってしまいます。

漫画ばかり読んで長めの本を読む習慣のない子では到底太刀打ちできないです。

2、国語の作文が一番の違い

算数や理科、社会に関しては問題形式の違いはありますが、問われていることに関しては、おおよそ私立入試で聞かれていることとさほど大差はありません。
普段中学入試の問題に慣れている子であれば、十分対応できます。

しかし、大きな違いは国語の問題です。
通常私立中学の国語の問題といえば、物語文や説明文を読んで設問に答えるという形式がほとんどですが、公立中学の適性試験では圧倒的に作文がメインです。

主にゴミの処理に関する環境問題であったり、日本の文化に関する意見を述べさせる問題について、300文字くらいで書かなければなりません。
作文に関しては、読解問題とは異なり、正解というものはありません。
自分の意見を挙げ、その理由を具体例を交えながら形式にのっとり書く必要があります。
しかも、社会の時間とあわせて45分しか時間がありません。
普段から様々なニュースを見て、自分の意見を考える訓練をしておかないと、いざ本番となっても薄っぺらい内容の文章しか書けないでしょう。

3、地元ネタに関する問題が豊富

受検する学校の地域特有の事例が頻出です。
たとえば、平成29年の千葉県の市立稲毛高校附属中の問題では、平安時代を中心に活躍した千葉氏の系図が出されています。

社会だけでなく、理科や国語でも地元千葉に関する見慣れない資料を見せておいて、一瞬、「嫌だな」と思わせますが、本質的に聞きたいことは、千葉の周辺にまつわる超基本的なテーマだったりします。
普段から地元のニュースや資料館などに目を通し、それに関連する事例などに想像力を膨らませることができればいいのでしょうが・・・
子どもにはなかなか難しいでしょうね。
いずれにせよ本番で焦らないよう地元に関するニュースにはよく目を通す必要があります。

以上、公立中学入試の特長3点について解説しました。
問題文が図やグラフなどが多い上にやたら長く、作文もある、、、など、私立対策と異なる点はあります。
しかし、本質的に問われている知識は私立対策をしている子であれば、十分に対応できる内容です。
持っている知識をより柔軟に活用できる能力が試されているといっていいですね。
違いは作文対策くらいでしょう。
直前期にいきなり受検して合格する、というのは倍率の高さからしてなかなか難しいものがありますが、半年くらい前から作文対策と過去問をしっかりやっていれば、合格できる内容です。
今後、高校からの生徒募集を停止する中高一貫校が増えていきますので、是非公立中学の受検を検討してみてはいかがでしょうか。

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