他県から引っ越してきたばかりなので、千葉県の高校の入試制度のことって、よくわからないのよね。
公立高校の合否って、どうやって決まるの?「入試の点数」以外に、どんなことが考慮されるのかな?
公立高校の入試制度って、各都道府県ごとに、全然異なりますよね?
合否の判定も、入試の点数だけでなく、内申点や面接、作文などを課すところもあるなど、ホントさまざま。
そこで、今回は、千葉県の公立高校の合否判定の方法について解説します。
♦本記事の内容
- 千葉県の公立高校の合否判定の方法
- 2段階選抜って、どんな制度?
- 内申点の評価方法
- 加点事由の内容って、どんなこと?
千葉県の公立高校の合否判定の方法
基本的に、千葉県の公立高校の合否判定は、非常にわかりやすいです。
以下の3つです。
- 入試の得点【国語・数学・英語・理科・社会の5科目】
- 内申点【中学校の成績】
- 各学校の独自課題【作文、面接、自己表現など】
うわー!3つの評価に分かれてるのね。対策が3つも必要となると、けっこう大変そうね。
大丈夫ですよ!
3つの評価方法があるといっても、それぞれの配点が大きく異なります。配点の高いところに、集中して取り組めば十分合格点は取れるんですよ。
配点の比重
入試の得点や内申点、各学校の独自課題など、いろいろありますが、やみくもに手をつけていけばいいわけではありません。
それぞれの配点比重があるからです。
基本的には、以下の配点です。全体の90%の高校で採用されている配点です。
入試の得点【5科目】 | 500点満点 |
内申点【9科目】 | 135点満点 |
各学校の独自課題 | 20~30点くらい |
合計 | 650点 |
見てのとおり、入試の得点の配点が500点で、一番大きいです。
ここで、ほぼ合否が決まると言っても過言ではありません。
ただし、一部の高校では、配点を多少いじっている学校もあります。
たとえば、内申点や加点事由の配点を上げてたり、逆に下げたりするケースです。
詳しくは、後編で解説しますね。
入試の得点
主要5科目
- 国語ー100点満点
- 数学ー100点満点
- 英語ー100点満点
- 理科ー100点満点
- 社会ー100点満点
- 合計ー500点満点
ここが、配点が一番大きいです。
受験勉強をする際も、「入試でどれだけ多く得点を積み上げられるか」を意識して勉強しましょう。
内申点【通知表の評価】
内申点も意外と侮ることはできません。
上位校だと、1点、もしくは2点の内申点の差で、合否が分かれることもありますからね。
国語 | 5点満点 |
数学 | 5点満点 |
英語 | 5点満点 |
理科 | 5点満点 |
社会 | 5点満点 |
保健体育 | 5点満点 |
技術家庭 | 5点満点 |
音楽 | 5点満点 |
美術 | 5点満点 |
合計【9科目】 | 45点満点 |
注意すべきポイントは、内申点は、中学1年生の分から評価される、ということ。
えっ!中1から評価されちゃうの!?
入学してからも、呑気に遊んでなんかいられないわね。
内申点の評価は、主に中学校で行われる定期テストで見られます。
中学1年生から、実質的に受験は始まっている、というわけですね。
てことは、中学に入学して、最初の中間テストから、しっかり対策しないといけないのね。
以前は、中3からで大丈夫だったのに・・・入試制度もずいぶん変わったのね。
各学校ごとの独自課題
独自課題については、各学校ごとにバラバラです。
主に、4つの課題が実施されています。
- 作文
- 思考力を問う問題・適正検査
- 面接・集団面接
- 自己表現
面接がある高校もあるのね。
うちの子、ちゃんと面接官の前で話せるかどうか心配だわ・・・
各学校ごとの独自課題については、配点もそこまで高くないので、そこまで気合を入れて準備する必要はありません。
特に、面接は本人確認をする程度なので、猛練習をするほどではないでしょう。
「面接でうまく話せなかった」からと言って、落ち込む必要はありません。
ほとんどの高校で、配点が10点から30点くらいです。
*後半でお伝えする、2段階選抜を実施する高校の場合は、ちょっと事情が変わりますが・・・
結局のところ、合否は、入試の合計点数(500点)で、ほぼ決まります。
受験生として、一番注力を入れるところは、「入試でいかに得点を積み上げることができるか」。この一点です。
【特殊なケース】 各学校ごとに配点が違うこともある
ここまで、基本的な配点についてご紹介してきました。
ただし、なかには特殊な配点を採用する高校もあります。
特に、偏差値の高い、超難関高校では、内申点よりも、本番の入試の点数を重視している傾向にあります。
やはり、超難関校レベルだと、内申点や面接などの人物評価よりも、試験本番での実力面をメインで判断したい、という思惑があるからですね。
1 内申点を半分に評価し直すケース
内申点135点満点を半分(67.5点)に評価し直す高校です。
「内申点が半分になってしまう」ということは、内申点の比重がそこまで大きくない、ということです。
せっかく数学で通知表の「5」を取っても、半分の「2.5」になってしまうのか・・・その分、本番で得点を稼がないとな!
千葉県では、以下の高校で、内申点の評価が半分となっています。
- 県立千葉高校
- 千葉東高校
- 検見川高校
- 県立船橋高校
- 小金高校
- 東葛飾高校
- 佐倉高校
わりと偏差値の高い上位校は、内申点をあまり評価していない傾向にありますね。
実力重視ということでしょう!
2 内申点を2倍に評価し直すケース
内申点135点を、2倍の270点に評価し直す高校です。
内申点が、他の高校よりも重視されます。
千葉県では、以下の高校が内申点の評価が2倍になっています。
- 犢橋高校
- 八千代東高校
- 船橋東高校
- 船橋啓明高校
- 船橋二和高校
- 浦安南高校
- 佐倉東高校
- 四街道北高校
- 小見川高校
ほか
これらの高校を受験する場合は、普段の定期テストや提出物などは、入試の準備だと思って、日ごろから頑張る必要がありますね。
3 2段階選抜の方式
概要
千葉県では、以下の高校で、2段階選抜の方式が採用されています。
- 若松高校
- 幕張総合高校
- 市立習志野高校
- 市立船橋高校
- 浦安高校
- 四街道高校
- 松戸六実高校
など
やや特殊なケースですが、仕組み自体はカンタンです。
第1段階
まず、総得点で成績上位者は、そのまま合格します。
成績上位者の比率は、各学校ごとにさまざまです。
例えば、幕張総合や若松、浦安、松戸六実、四街道などの「県立高校」」の場合だと、上位80%
「市立高校」の場合だと、またちょっと変わっていて、
市立船橋で、上位40%
市立習志野で、上位60%
入試でちゃんと点数が取れて、受験者の中で上位80%くらいまでに入れれば、問題ないってことね。
そうなんですよ。それにしても、市立船橋や市立習志野の上位40%や60%ってのは、なかなか面白いですね(笑)
第2段階
次に、第2段階です。
第1段階の総合点で、上位に入れなかった者の中で、得点調整が行われます。
それは、内申点のうちの「加点事由」や「学校独自の検査」の配点を、一気に2倍から3倍に引き上げるのです。
そして、入試の得点と、第2段階で引き上げられた「加点事由」や「学校独自の検査」の得点を合わせた総得点で、再度合否が決まります。
言葉だけで説明しても、よくわかりづらいので、実際の例で説明しますね。
たとえば、幕張総合の例だと、こんな感じです。
★第1段階
入試の得点 | 申内点 | 各学校の独自検査 | 総得点 | ||
通知表の 総得点 |
加点事由 | 面接 | 自己表現 | ||
500点 | 135点 | 10点 | 20点 | 30点 | 695点 |
第1段階では、通常の高校と同様の合否判定が行われます。
ここで、上位80%の合格が確定します!
成績がしっかり取れていれば、特異な才能や実績がなくても、この段階で合格できるのです。
★第2段階
続いて、上位80%に入れなかった残りの20%のなかで、以下の得点調整が行われます。
入試の得点 | 内申点 | 各学校の独自検査 | 総得点 | ||
通知表の 総得点 |
加点事由 | 面接 | 自己表現 | ||
500点 | 135点 | 50点 | 60点 | 90点 | 835点 |
黄色のマーカーで目立つ部分に注目してください!
第2段階になると、加点事由や面接、自己表現の得点が、第1段階にくらべて、一気に倍増していますよね?
ホントだ!
第1段階では、加点事由や学校の独自検査だけで、60点分だけだったのが、第2段階になると、200点にまで上がっている。
第2段階では、学校の特色に合わせた生徒を確保するために、学力だけでなく、特異な才能や実績がある子が優遇される傾向にあるわけです。
スポーツで実績のある子や、文化系で優秀な成績をおさめた子は、第1段階でダメだったとしても、この第2段階で、合格のチャンスが生まれます。
ほかにも、市立船橋高校や市立習志野高校では、学校独自の検査の配点を一気に3倍から5倍も上げています。
せっかくなので、高校サッカーやバスケ、体操など、スポーツで全国的に有名な市立船橋の例も見てみましょう!
*市立船橋高校【普通科】のケース
★第1段階
入試の得点 | 内申点 | 学校独自の検査 | 総得点 | |
通知表の 総得点 |
加点事由 | 自己表現 | ||
500点 | 135点 | 40点 | 36点 | 711点 |
第1段階で、上位40%程度までに入れれば、この段階で合格が確定します。
幕張総合では、上位80%だったのに、市立船橋は、その半分の40%とは・・・
★第2段階
続いて、第1段階で合格できなくても、残りの60%から、以下の得点調整をします。
入試の得点 | 内申点 | 学校独自の検査 | 総得点 | |
通知表の 総得点 |
加点事由 | 自己表現 | ||
500点 | 135点 | 40点 | 180点 | 855点 |
黄色のマーカーで記載した、自己表現の部分に注目してください!
第1段階では、わずか32点の配点しかなかった自己表現が、第2段階になると、なんと5倍の160点まで跳ね上がっているのです。
いかに、市立船橋が、自己表現を重視しているかがわかりますよね?
市立船橋の商業科や体育科では、自己表現や適性検査などの配点比重が高いですね。特殊な高校といえます。
以上見てきたように、2段階選抜を行っている高校を受験する場合は、学力だけではなく、学力以外の才能や実績がある子も優遇してもらえます。
そういった能力がある子は、ぜひトライしてみましょう!
うちの子じゃ、全然ムリだわ・・・
でも、こういう特殊な高校に敢えて行ってみるのも、面白そうだよね。
将来「Jリーガー」や「オリンピック選手」になるような友人にも出会えそうだし。
内申点の評価方法
内申点は、各学期末に配られる通知表を見て確認することができます。
定期テスト
中学校の内申点は、主に定期テストの点数を基準に判断されます。
千葉市の場合だと、前期・後期の二期制を採用していますので、定期テストは、「前期中間テスト」・「前期期末テスト」・「後期中間テスト」・「後期期末テスト」の計4回。
中3になると、後期期末テストは行われないので、計3回。
つまり、3年間で、定期テストは計11回行われるということ。
この11回の各定期テストの点数で、通知表の1から5までの判定が出されます。
内申点は、学校の定期テストの点数で、ほぼ決まります。
だから、定期テストは毎回、入試だと思って臨む必要があるんですよ!
授業態度・提出物
ふだんの授業態度や提出物なども、大事です。
もし仮に定期テストの点数が低かったとしても、授業態度が良かったり、毎回提出物をキチンと出せていれば、救済措置として評価される可能性があるからです。
当たり前のことをキチンとやる、という姿勢があれば、十分です。
逆に、提出物を毎回出さなかったり、先生に反抗しまくって授業態度が悪いと、当然評価も低くなります。
反抗期の中学生にとっては、自分で自分を傷付けないよう、最低限のマナーは守りましょう。
出席・遅刻日数
出席・遅刻・早退などの日数も評価されます。
3年間で一度も遅刻・欠席がない「皆勤賞」なんて取れたら、評価アップですね。
3年間で20日~60日以上の欠席があると、審議の対象となってしまいます。
(*各学校によって異なります)
不登校になって、ほとんど学校に行けていない子の場合だと、この出席日数が足りていない時点で、内申点に大きく響きます。
体育や美術などの副教科の通知表なんて、ほぼ「1」か「2」でしょうからね。
評定で「1」の科目、あるいは「未評価」の科目が1つでもあると、審議の対象となります。
また、評定で「2」の科目が2つ以上ある場合も、審議対象となる高校もあります(千葉北高校)。
こうなってしまうと、公立高校への進学はあきらめざるをえません。
学校の先生に相談して、出席点をもらえるよう救済措置を求めることはできるかもしれませんが、現実的にはかなり厳しいと思ってください。
私も毎年のように、不登校の生徒を担当してきました。
やはり不登校の場合だと、出席できていない以上、通知表は「1」か「2」がついています。そうなると、入試で相当良い点数を取らないと合格は厳しくなってしまいますね・・・
いずれにせよ、学校の授業だけはしっかり出席しましょう。
これだけは、どんなに成績の悪い子でも、できることですからね!
加点事由
全く評価してくれない学校(0点)もあれば、50点くらい加点してくれる学校もあり、さまざまです。
グレーな部分も多いところですが、主に以下の特記事項があれば、加点されます。
- 英検3級以上
(レベルの高い学校だと準2級以上) - 漢字検定
- 学校行事での積極的な活動
- 生徒会の役員(生徒会長・副会長・書記・会計など)
- 部活動の部長・部活動での優秀な成績
(県大会・関東大会出場・上位など) - ボランティア活動
一番わかりやすいのが、英検や漢検といった検定試験ですね。
中級レベル以上の高校を目指す子なら、だいたい英検3級くらいは取得しています。
うちの子に生徒会の役員なんて、つとまるわけないもんね。
英検やボランティアくらいなら、なんとかできそうだわ。
まずは、「今できること」から始めていきましょう!
一番大事なことは、何度も言うように、学力を上げることです。
【まとめ】まずは定期テスト対策をしっかりやろう!
いかがでしたか?
今回は、千葉県の公立高校の入試における合否判定の方法について、ご紹介しました。
主に、入試の点数と内申点、各学校の独自課題について、見てきましたが、一番大切なことは、「入試でライバルより多く点数を取ること」です。
そのためには、今から実力をつけるしかありません。
入試に向けて特化した勉強も必要ですが、まずは年に4回ある定期テストで、しっかり点数を稼ぐ。内申点を多く積み上げることです。
定期テストの先に、高校入試があるのです。
中学3年生の子たちが入試直前になって、一番よく言うセリフが、「1,2年生のときに、もうちょい勉強しとけばよかった・・・」ということ。内申が高ければ、少しでも上の高校が目指せますよ。
まずは、「小さな行動」から始めましょう!
いきなり本格的にテスト勉強や受験勉強を開始するのは、至難の業。
まずは、自分に合った教材や入試情報の収集に努めてみてはいかがですか?
以下の通信講座は、コロナ禍で、中学生のほとんどの子が利用している講座です。
まずは、お子様の熱が冷めないうちに、カンタンな資料請求から始めてみてください!
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