大手学習塾「臨海セミナー」の悪質な勧誘について思うこと

コラム

ヤフーニュースで、こんな見出しの記事が掲載されていました。

今回は、同業者として、この悪質な勧誘行為、合格者水増しがされた、「塾業界の闇」について、お話したいと思います。

 

学習塾業界の悪質な勧誘合戦。本当の被害者は、現場の講師・教室長だ

大手学習塾「臨海セミナー」で、悪質な勧誘行為・合格者の水増しに関するニュースが報道された。

Yahoo!ニュース
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率直な感想としては、

 

「どこの進学塾・予備校も似たようなことやってんだろうな~」

 

くらいなもので、今回たまたま「臨海セミナー」の名前が浮き彫りになったにすぎない。

今回の記事を見る限り、たしかに「臨海セミナー」のやっていた行為は、極めて悪質だ。

自塾の生徒を利用して、他の塾の生徒の個人情報を流用する。

そして、お得意の「無料体験授業」に呼び出し、優秀な生徒を引っこ抜く策略だ。

初回の無料体験授業で、ほぼ1か月間丸ごと無料となれば、金銭的に困っている家庭なら、コロッと引っかかってしまうだろう。

最大の問題は、子どもの個人情報を秘かに聞き出し、執拗な勧誘行為をしている、この一連の行為が、会社の上層部の指導の下で行われていた点だ。

記事によると、地域単位での、入塾者数の「伸び率レース」で下位になると、社員は休日返上で営業電話をガンガンかけさせられるそうだ。
(この話もどこかの学習塾と似たようなもんだな・・・)

これが事実だとすると、現場の講師や教室長の方々はさぞ大変だったろうな、と思う。

個人情報を聞き出された生徒や保護者も不愉快だろうが、一番辛い思いをしているのは、現場の講師や教室長だろう。

やりたくもない過剰な電話勧誘や、生徒への聞き出し、上層部からの罵声・・・

これでは、ただの悪質な「営業会社」と同じではないだろうか?

こんな環境の下では、現場の先生からしたら、子どもたちに密着した教育サービスの提供は、二の次、三の次になってしまう。

学習塾業界の人材不足が加速してしまうではないか!

こういった、悪質な会社の態勢は、ぶっちゃけた話、大手の学習塾ではどこにもある話だ。

実際に、大手の学習塾の教室長は、毎年コロコロ入れ替わっている。
いろいろな塾のホームページを見てみると、いつの間にか別の人物に入れ替わっているのだ。

「あれ?あの人もういなくなってる・・・」

こんなこと日常茶飯事だ。

要するに、短期間のうちに退職してしまう輩が大量にいるのだ。

とくに、大手の学習塾の直営教室には、その傾向がある。

地元の学習塾なら、そもそも上層部からの指示はないので、現場の塾長自身の裁量で行き過ぎることはそうそう起きない。
(自分の意志で過剰な勧誘をするのなら、まだ気持ち的にもラクだろうが・・・)

やりたくもない過剰な勧誘を嫌々やることほど、精神的に辛いことはないだろう。

こういった上からの圧迫が、今も平然と行われている。

こうした塾業界の過剰な絞めつけのニュースを聞くたびに、思うことがある。

「優秀な講師や子どもたちからの人望のある講師が、どんどん現場から離れていってしまう・・・」

現に、塾の講師の人数は、減少傾向にある。

現場の講師が働きやすい体制、環境を整えることで、より良い教育サービスが提供できる、ということを忘れてはならない。

大量に生徒数を確保して、売上を伸ばす時代は終わった

少子化の影響により、子どもの数は年々減少している。

この傾向は今後どんどん進んでいく。

そうだとすれば、塾業界の市場自体は、必然的に縮小していく。

子どもの数は減るし、子どもを支える塾の若い講師だって減っていく。

今回の「臨海セミナー」のように、生徒数を確保するために、手段を選ばずに悪質な勧誘行為を続けていては、いずれ現場は疲弊してしまうだろう。
現に、疲弊して退職した者からの、内部告発という形で、事実は明らかになった。

こんな過当競争をして、社員を苦しませるくらいなら、会社を経営する意味はない。

それよりも、今いる生徒を大事に育て、満足してもらうことが一番大切だ。

別に大量の生徒をかき集める必要などない。

最低限生活できるレベルの売上が確保できれば、あとはひたすら目の前の生徒・保護者のために尽くす。

時代の流れとともに、経営者自身にも「マインドの変革」が求められているときだ。

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